国土交通省は7月28日、脱炭素化に向けた「重点調査空港」を公募し、14者21空港を選定したと発表した。選ばれた空港は、施設・車両のCO2排出削減や再生可能エネルギー拠点化に取り組み、事業スキーム、CO2削減効果、経済合理性などを検証する。
選ばれた14者のうち半数はコンセッション事業者だ。北海道の7空港を運営する北海道エアポート、関西国際空港と大阪国際空港を運営する関西エアポート、それに、関西エアポート神戸、高松空港、広島国際空港、富士山静岡空港、南紀白浜エアポートといった顔ぶれだ。
14者中12者は太陽光発電を導入する。関西エアポートや関西エアポート神戸、中部国際空港、東京国際空港エコエアポート協議会は水素の利活用をテーマに挙げた。成田国際空港や北海道エアポートは、太陽光以外の再エネを導入する。
南紀白浜エアポートは国交省の発表に先立ち、南紀白浜空港の敷地内に太陽光発電施設を整備し、災害時のレジリエンスを高める計画を明らかにしている。空港施設と2022年に開業予定の空港ビジネス拠点では、再エネ電力を融通する取り組みも開始する。JAG国際エナジーとオリエンタルコンサルタンツが協力する。
国の2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みでは、太陽光発電の導入促進による空港の再エネ拠点化で、2030年に電源容量2.3GWを創出する案が国交省から示されている。