再エネアグリゲーション実証事業に3コンソーシアム47者、蓄電池活用

一般社団法人環境共創イニシアチブは6月8日、経済産業省の「再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」の採択結果を発表した。3コンソーシアム、47事業者が参画する。電力、エネルギー、電気機器、商社、情報通信、不動産、建設、建設コンサルタント、損害保険など、幅広い業種の企業・団体が名乗りを上げた。

再エネアグリゲーションは、計画上の発電量と実際の発電量の差分(インバランス)を、再エネ発電所を束ねるアグリゲーターが調整する仕組みだ。2022年度に導入予定のFIP制度(Feed-in Premium制度)では、再エネ発電事業者に正確な発電量予測に基づく計画値同時同量の責務が課され、計画と実績に差が生じた場合はインバランス料金を支払うリスクが生じる。

事業では、変動性の高い太陽光発電などの再エネ発電設備と、蓄電池などの分散型エネルギーリソースを組み合わせ、需給バランス確保のための発電量予測や、リソース制御に必要となる技術を実証する。これによって知見が蓄積され、政府が目指す再エネ導入拡大や分散型電源普及につながるという構図だ。

コンソーシアムは再エネアグリゲーターと実証協力者で構成する。公募要領では、インバランス回避、電力需給に応じて変動する市場取引での収益拡大、再エネ発電量の高精度な予測――といったテーマが示されていた。

(出所)一般社団法人環境共創イニシアチブ

事業者として選ばれたエナリスのコンソーシアムは、実証設備として太陽光・風力・火力の各発電所、産業用蓄電システム、電気自動車(EV)を使用。再エネ発電事業者をグルーピングすることでインバランスを低減させる“ならし効果”の検証や、発電所に設置された蓄電池をインバランス発生量に合わせて充放電する技術などを実証する。

東芝ネクストクラフトベルケのコンソーシアムは、インバランス回避と収益性向上を目的に、約1.2GWの大規模再エネ設備群を用いて技術を評価する。得られたノウハウはリスクヘッジのための保険商品の開発にも生かす。

実証事業の成果は、2022年3月までに報告する予定だ。

(出所)東芝ネクストクラフトベルケ

InfraBiz
関連サイト
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エナリスの発表
東芝ネクストクラフトベルケの発表
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