世界最大手の洋上風力発電事業者、Ørsted(デンマーク)は6月2日の「キャピタルマーケットデー」で、現状の再生可能エネルギー導入発電容量12GWを、2030年までに50GWに引き上げると発表した。内訳は、洋上風力30GW、陸上風力と太陽光17.5GW、その他(バイオマス、再生可能水素、グリーン燃料)2.5GW。2020~27年の8年間で3500億DKK(6兆3000億円)を投資するうち、80%を洋上風力と再生可能水素、残りを陸上風力にあてる。
同社の現状の洋上風力設置容量は7.6GW、建設中が2.2GW、受注済みが7.5GWで、総計17.3GW分の発電所を有する。さらに欧州、米国、アジア各地域での仕掛かり案件が最大14GW、機会可能性案件が最大38GWあり、合計52GW。そのうち13GWを加えて、2030年に総設置容量30GWを目指す(図表1、2)。
日本では現在、千葉県銚子沖(370MW)で東京電力リニューアブルパワー、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖(415MW)と秋田県由利本荘市沖(730MW)で日本風力開発、ユーラスエナジーホールディングスと共同で事業者公募に参画している。
図表1 洋上風力の地域別ポートフォリオ
図表2 フェーズ別の洋上風力プロジェクト例
同社は、2030年の世界の洋上風力発電容量を168GW(欧州102GW、アジア太平洋36GW、米国30GW、中国を除く)、陸上風力発電容量を1940GW(中国を除く)と予測している。そのなかで、2030年の目標として、洋上風力のno.1、陸上風力のtop10、再生可能水素・グリーン燃料のグローバルリーダーの地位確保を目指す。
2020 年のグループ売上高は526億DKK。Corporate Knights の 2021 年の世界で最も持続可能な企業 100 社インデックスで、最も持続可能なエネルギー企業にランク付けされている。マーケットデー当日には、風力発電機のブレードの埋め立てを禁止し、今後、陸上・洋上風力発電所の設計寿命終了後のすべてのブレードを100%再利用・リサイクルすることも表明した。