メタウォーターが好調だ。4月に熊本県有明・八代工業用水道コンセッション事業の運営を開始。3月には宮城県上工下水一体コンセッション事業でも優先交渉権者に選ばれ、2月にはPFI法第6条の提案に基づく熊本県荒尾市水道事業包括委託の第2ステージの契約も締結した。同社の集計では、上下水道PPP(官民連携)事業の募集72案件のうち、34件を受託している。4月27日に開催した、2021年3月期決算と中期経営計画の説明会で明らかにした。
連結決算の受注高1591億円、受注残高1693億円は、ともに過去最高。EPC(設計・調達・建設)が堅調で、複数年の維持管理契約が増加したことも受注増に寄与した。売上高は1334億円(前期比3.6%増)、純利益は65億円(同15.2%増)を計上し、増収増益となった。
PPPのさらなる進展を見込む
新たに作成した中期経営計画では、国内事業環境として自治体職員減少、既存施設老朽化、人口減少による水使用量・料金収入の減少、PPPのさらなる進展――を織り込んだ。PPPはDB(設計・施工)やDBO(設計・施工・運営)を含む大型案件の増加を想定し、海外事業とともに売り上げ貢献度が高い成長分野と位置づけている。計画最終年の2024年3月期に売上高1400億円、営業利益100億円、純利益70億円を目指す。
研究開発投資も拡大する。テーマの一つに「情報連鎖を活かした価値創出」を挙げた。水環境に関する情報を集約することで、ライフサイクルコストを削減。災害シミュレーションによる被災現場の早期復旧などにも生かす。