フランスBouyguesの2020年決算は、売上高が346.94億ユーロ(4兆4000億円、前年比8.5%減)、営業利益(Operating Profit)が11.24億ユーロ(同33.7%減)となった。
事業別では、建設事業(子会社に建設のBouygues Construction、不動産のBouygues Immobilier、交通インフラのColas)が売上高262.08億ユーロ(前年比11.4%減)、営業利益3.87億ユーロ(同54.9%減)。メディア事業(子会社TF1)が売上高20.82億ユーロ(同10.9%減)、営業利益1.15億ユーロ(同54.9%減)。通信事業(子会社Bouygues Telecom)が売上高64.38億ユーロ(同6.3%増)、営業利益6.51億ユーロ(同6.7%増)。COVID-19の影響によって、建設事業(コンセッション事業を含む)とメディア事業は前年比で大幅な減収減益になったが、通信事業は増収増益を確保した。
■Bouyguesの2020年決算
20年下半期から収益・受注環境が回復
2020年の決算結果は、Covid-19危機におけるグループの回復力を反映しており、売上高が上半期に前年比15%減少したが、下半期は3%減少まで回復し、通期は346.94億ユーロで、前年比8.5%減にとどまった。
当期営業利益(Current operating profit)は12.22億ユーロで、前年から4.54億ユーロ減、当期営業利益率は3.5%だった。収益性も20年下半期に大幅に改善した。下半期の当期営業利益は13.54億ユーロに達し、前年下半期と比較して1.31億ユーロ増(前年比11%増)。下半期の当期営業利益率は6.8%(同0.8%増)となった。営業利益(Operating profit)は、前年から5.72億ユーロ減少して11.24億ユーロ。グループに帰属する純利益(Net profit)は、前年の11.84億ユーロに対して、20年は6.96億ユーロにとどまった。純利益には、カナダの鉄道車両メーカーAlstom(20年12月末時点でBouyguesの株式保有率は約8%)から1.69億ユーロ(前年は2.38億ユーロ)の貢献が含まれている。
建設事業の受注残は、2020年12月末時点で過去最高の331億ユーロ(前年比1%増)。Bouygues Constructionの受注残は、Q4の前年比5%増が効いて、19年末より1%増の86億ユーロ。Colasの受注残は、Q4にフランス本土での予想を上回る受注の結果、前年比2%増になった。これには、米国Parsonsなどとともに選定されたカナダ・エドモントンのValley Line West LRTプロジェクトに関する約5億ユーロも含まれている。
なお、Bouyguesは20年以上のコンセッションとPPPの経験を持つ。Bouygues Constructionの中にコンセッション部門があり、子会社Bouygues Travaux Publicsをサポート。同社が出資するコンセッション会社を管轄する。フランス内外で1000km超の道路、180kmの鉄道の輸送インフラやスポーツ・娯楽施設等の運営・維持管理に参画している。
Colasはフランス道路運営会社Cofirouteに出資(1970~2014年)した実績を有する。コンセッション、PPP/PFI、英国のMAC(Management Agent Contractor、現在はASC=Asset Support Contract)などを通じて、道路、空港、都市公共交通のコンセッション会社に参画している。